サルに生まれた女の日常。

人生ってすばらしい。

ごめんね、と、ありがとう

雨の日の夕方。

「きょうはお肉を焼いてあげるけんね」

母が言った。

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新生児のお世話にくわえ、36才の産後開け娘の食事のしたくまで…。

 

「ありがとうございます」

 

娘にミルクをあげながら、母の背中に言った。くるっとふりかえって、「なんか照れるね」と返ってきた。

 

「ありがとう」を言われ慣れてない母。これまで、家族への「ありがとう」ハードルが高かったことを後悔した。

 

夜になった。

父が娘の小さな足をさわって遊んでいた。それをじっと見ていたわたしに父が言った。

 

「ごめんね…あみちゃんのときには、してやれなかったけど」

 

20代前半で長女のわたしを授かった父にとっては、こうやって赤ちゃんの小さな足をかわいいと思う余裕もなかったのだろう。

 

こんなとき、なんて返せばいいんだろう。

「いいよ、覚えてないし」で精いっぱいだった。

 

ごめんね、と、ありがとう。

 

家族以外の人になら気軽に言えるのにね。家族に言うのは、ちょっと重くて、かなしくて。だけど、家族だからこそ、必要なことばだよね。ちょっとおとなになったかな、わたし。

 

ま、どっちかといえば、ありがとう、がすき。