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あなたのような人がいるだけで、僕はうれしい。

仕事から帰ってきて、自宅でテレビを見ていた。なにげなく。素人さんのカラオケバトル決勝戦。最終候補者6人のうち、3番目の女性が歌い終えた後、宮本亜門さんが堺正章に感想を求められ、こう答えた。

「あなたのような人がいるだけで、僕はうれしい」

一瞬、え、これ感想?とおもった。そのあと、あぁこれが感想だとおもった。その女性は歌う前から「絶対100点獲る!」「候補者全員をぶっつぶす」みたいな強気の発言をする人。嫌われる人にはきっと嫌われる。わたしもやな感じの人だな、と思った。歌声も高音ビブラートを効かせまくり、普通の人が普通にうまくなった感じではない。画面横のテロップには女王と書かれていたし。

その女性の前に歌ったのは、現役宝塚の笑顔がチャーミングな女性。わたしだけでなく、きっと多くの視聴者がそちらの女性を応援していたはず。それなのに、亜門さんはこういった。しかも、うまい、キレイ、すばらしいではなく、単純にすきだと。私には「あなたのようなまっすぐな女性がすきだ」と聞こえた。だから余計にびっくりした。

結果的に、その女性は次の候補者に負けて5分後には画面からいなくなってしまった。けれど、今日になってもなぜかあの女性の印象だけが頭の中に残っている。私がなんとなくキライな人を、亜門さんがスキだといったからだろうか。あんな人をすきだというなんて。世の中では嫌われるタイプの人なのに。

心はまだざわついてる。亜門さんのたった一言。ざわつきの原因はなんだろう。まだわからない。けれど、たった一言でも聞いた人の心に深く残る言葉を持つ人は、常に自分の心に深く問いかけられる人なのだろう。

金曜日の午後に思う。
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